嘘日記11日目 午後2 ~ 12日目
えらいこっちゃーというシマちゃんの声で目が覚めた。
二人共寝てしまっている間に流されたらしい。垂れ下がった木にかろうじて引っかかっていた。ギリギリ見えない位テントより下流にいた。
シマちゃんがあわててオールを漕いだ。ボートがくるりと回った。
シマちゃん、ええーー。
そりゃあそうだろ。
それで、二人でオールを漕いで上流へ向かった。シマちゃんはヒーとか言いながらも酒を飲んでいた。
5分位経って、テントが少し見えた。だけど、これは体力続かないんじゃあと思った時に、ふと気づいた。
陸に上がって歩けばいいんだった。テントまで平坦に続いてるし。
シマちゃんに言ったら、あははーやられたと言った。
夕焼け空の下、陸に上がってテントまで歩いた。この時になって、酒が邪魔だ。
テントまで辿り着いた。シマちゃんが一気に行くぞーと魚をさばき出す。
僕は火を起こした。
日本酒をやりながら二人で火を囲んで魚を焼いた。
一気に準備したのでそこからはチョビチョビ食べながら酒を飲んだ。
シマ「川ってすげーよな。」
僕「そうだね。」
シマ「川に感謝だな。」
僕「そうだよねー。」
そうして、ゆっくりと魚を食べ終えた。骨は川に放った。
それから1個残ったお握りを焼きおにぎりにして、ちょっとずつ食べた。
火の前で二人で酒を飲んだ。
シマ「地球ってすげーよなー。」
僕「そうだなぁ。」
その後、空見たり火を見たりしながら過ごした。
二人が話すのは、いいよね~とか、やっぱこれだな~、位だった。
うとうとしていて、目を覚ましたらシマちゃんはテントで寝ていた。なので僕もテントに入って寝た。
翌日、朝ごはんの香りで目が覚めた。シマちゃんは卵とパンを焼いていた。
そして、刺身も用意してあった。
ちょっとちぐはぐな気もするが、贅沢だなぁ。
シマちゃんは早めに起きたらしくある程度整頓してくれいていた。
ご飯を食べて、コーヒーを飲んだ。
朝日に川が照らされてキラキラしていた。朝日も夕日も楽しめるとは、流石シマちゃん、いい場所知ってるな。
二人で片付けして、車に乗り込んだ。
シマちゃんが寄るとこ無いかと言ったけど、寄らなくていいよと言った。
直行で家に着いた。寄り道しないなんて珍しいなと思ったのだが、魚の鮮度を考えての事だった。
シマちゃんが魚を5尾持たせてくれた。小さいやつ2尾も。
猫にも食わせてやれよと言った。火通せよと言われた。寄生虫かな。
飲み屋の母ちゃんに持ってかねぇとよって言ってシマちゃんは走り去った。
ありがとうねーってワンテンポ遅れて車に叫んだ。
車はププッと鳴らして角を曲がって行った。
楽しかったなーと思いながら、家の窓を全部開けて回った。
開け終わって、庭で寝転んでいたら子猫が来た。大きい猫とセットで現れた。
魚分けにくいなと思ったので、いくらかぶつ切りにして茹でた。
二匹共匂いがするからであろう、庭で待っていた。
冷ましながら身を小さくして、二匹に出した。
むにゃむにゃ言いながら美味しそうに食べた。
さて、よくわからんけど大きい魚がある。
海のなら何とかやるけど、川魚って。小さいのならそのまま焼くけど、違うし。
ヒョコ太にあげる?
ちょっと下心が出てユリーにあげるかと思ったけど、一昨日会ったとこだし。
なんて考えてたら、よっこさんが丁度いいなと思ってさっそく電話した。
ちょうどユリーちゃん遊びにくる連絡来たとこなんだ、との事。休みか。ナイスタイミング。
そんで、戸締りして近所の酒屋で日本酒買って、よっこさんの家へ。
ユリーがもういた。ちょっと酔っていた。いつから飲んでたんだろ。
ヒョコ太に連絡したら、夕方には来れるとの事だった。
お好み焼きが始まった。魚は夜にしようとなった。
あまりお腹が空いていなかったのでゆっくり食べた。
ユリーが焼いていた。ひっくり返す手つきを見て、やってる人だなと思った。
雨が少し降って来た。雨が降ったら庭の植物の香りがして空気がうまかった。
コーヒーを出してもらって、少し飲んでから昼寝した。
起きたら、二人は料理しながら話をしていた。よく働く人たちだ。
それで僕も片付けだとかしながら話に入った。大抵用意が出来て、ヒョコ太が来るまで待つかという感じになり3人で庭に出た。
雨が止んだ後の夕暮れだったので、西の空が強く光っていた。僕はついぼーっとしてしまってずっとその光っているのを見ていた。
家の中からユリーの呼ぶ声が聞こえた。ヒョコ太も来ていて、もう始めるところだ。
ガラス戸から上がる時に待っていたユリーが泣いてたんですか?と言った。言われたら涙が少し出ていた。
たぶん、眩しいもの見続けてたからじゃないかなーと言っておいた。
ヒョコ太は酔っぱらっていた。もう?仕事終わって来たばっかりじゃないのかこの人?
川魚はムニエルにされていた。お洒落な感じになったもんだ。結構な量にもなった。
結局、ヒョコ太以外は皆お腹が減っていなかった。
皆結構酔っぱらった。始めたのが早かったので、10時位にはぼちぼち帰ろうかという事で3人で出た。ユリーは途中で別れて、ヒョコ太とは、僕の家の玄関前でチューハイを1本飲んで別れた。
空はすっかり晴れて星が綺麗だった。

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