10日目
朝起きてコーヒーを淹れた。
トーストに蜂蜜で食べた。
昔はコーンフレークの朝食に憧れたなぁ。
玄関の前でコーヒーを飲んでいたら、二つ隣のおばあちゃんが和室の電球が切れたからどうしよと言うので換えに行った。
電球を換えた後、お茶を出してもらった。玄関で柴犬をしばらく撫でまわしてから家に戻った。
仕事でこっちに来ているという友達から電話があったので、昼ご飯を食べる約束をした。
図書館へ出かけた。
新聞を読んでから雑誌をいくつか読んで過ごした。気になるフライヤーをいくつかラックから取った。
友達が図書館に迎えに来て、車に乗り込んだ。3か月ぶり位だった。彼とは20年位前からの友達で、これと言って遊んだりはしないが、時々飲みに行ったり、家で飲んだりする仲。特に話すでもなく、時々思い付いた冗談をお互いに言って、ふーんとか言いながら車は走った。
着いた場所は海近くの定食屋だった。
僕はあさり汁付のとんかつ定食を頼んだ。友達は焼き魚定食。
おばあちゃんが定食を持ってきて、やさしそうな顔してるねぇと言われ、嘘偽りの無いであろうその言葉が嬉しかった。顔に見合う人間になろうと思った。
明るい色のさくっとした衣のとんかつだった。程好い脂身。おろしポン酢で食べた。友達に一切れ上げた。友達はうめえな~と何度か言った。それしか言わなかった。
食後に温かい緑茶が出た。
僕はカメラを持ってきていたので、店の前で友達とおばあちゃんのツーショットを取った。おばあちゃんのピースサインが可愛かった。
僕らはそこで別れた。
海沿いをしばらく歩いた。歩きながら、いつか行った愛知の篠島を思い出した。島暮らしをいつか経験したいなと思った。
神社があったのでお参りした。
そこから家の方に向かって歩いた。バス停でもあれば、乗ろうと考えた。
途中にスーパーがあったので紹興酒を買った。
静かな住宅街だった。歩道が歩きやすくて良い。ここは歩かないと気付かなかったなと思った。
だだっ広い公園があったので、ベンチで横になって紹興酒を飲んで、空を見ていた。鳥の声と子供とお母さんの声が耳に心地よく聞こえた。
公園を後にして、歩いた。覚えのある景色になってきたあたりのコンビニの前を通ったら、駐車場にあの娘がいた。前に公園で会った可愛い娘。
向こうも気付いたので近づいた。ちょっと待ってて下さいと言われ、コーヒーを買って来てくれた。この間はどうも、だそうだ。いい子だ。
彼女は仕事帰りだそうだ。僕の事を話したらいいですねと笑った。
送りましょうかと言われ、方向が一緒のようなので送ってもらう事にした。
夕暮れになりかけだった。彼女は車でラジオを聴いていた。
ふと思い、友達であるおばちゃんの家に送ってもらう事にした。少し高い所にあって気持ちが良いのだ。
よっこさん(おばちゃん)の家に着いた。玄関の前に居たよっこさんは、開口一番上がって行きーって言った。そのつもりで来たんだと答えた。
彼女もあがりーというので、彼女もそうした。
家の中ではクラシックが流れていた。
友達もうすぐ来るからさーという事で、大量の鶏肉が串に打ってあった。
クラシックに焼き鳥。
先にやってなとワインを貰った。それで庭に出て夕暮れを眺めて彼女と話した。彼女の名はゆりと言った。綺麗な名だ。
ニックネームで呼ぼうという事になり、ユリーと呼ぶ事にした。本名より長くなった。
よっこさんがご飯たべていきなとユリーに言うので、彼女は一旦着換えて来ると言って帰って行った。近いらしい。
15分後くらいにユリーは戻って来た。そんなに近いんかーい、かーい、ってよっこさんはエコーを付けて突っ込んだ。
三人でワインを飲んで日没を見届けた。
私達、明日も絶対頑張ろうね!ってよっこさんがふざけた。
ユリーも、はい!必ず!と答えていた。中々だ。
そうしてぼんやりしていたらおばさんが二人来た。
そのまま家の中で宴会が始まった。焼き鳥食いまくりだ。
みんな酔っぱらって、お互いを社長、部長としか呼ばなくなっていた。
泊って行こうかと思っていたが、ユリーが帰るので送りがてら僕も帰った。
道で別れる時に、グーの拳を出して来たのでこっちも拳を出してコツンとやった。ギャグなのか?
飲みかけだった紹興酒を飲みながら、ゆっくり歩いて帰った。

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