5日目
朝起きて、牛乳を飲んだ。
ヒョコ太郎も目覚めたので、近所を散歩した。
そのまま、喫茶店に行ってモーニングを食べて、新聞を読んでワイドショーを見た。大家さんも入ってきた。にっこり笑っていた。ずぼんのチャックが半分開いていて面白かった。特に支障なさそうなので注意しなかった。
大家さんはコーヒーと卵だけにしていた。
よっしゃと小声で言って出て行った。良い一日を、とお互いに言った。
僕達も腰を上げた。
レジの会計は大家さんが払ってくれていた。ありがとう。
そのままヒョコ太は帰って行った。
僕は家に戻って、緑茶を用意して縁側へ行った。
しばらく本を読みながら過ごした。途中から浮いていた茶柱が立った。
つがいのスズメが縁側の前で地面をつついていた。可愛らしかった。彼らからしたらその日のご飯をせっせと探していただけなのかしら。
信州の友達の家を訪ねたのは丁度去年の今頃だったなと思った。戸隠神社、温泉に二人で浸かった事を思い出していた。
子猫がやってきた。
昨日はどうも、と言っておいた。
ちょうちょが飛んできたので猫はそれをおっかけてあっちこっちしていた。それを眺めていたら庭にピンクのバラが咲いているのに気付いた。
玄関にバイクの音がしたので郵便受けに行った。友達からの手紙が1通届いていた。
それをまた縁側で読んだ。
便箋に細かい字がびっしり書いてあった。内容というより、文章に引き込む力があった。2回読んだ。
しまう時に気付いたのだが、写真が一枚ついていた。
公園で飲み会しているような感じで、一人のおじさんが凄く気の抜けた感じでハッとなってる写真だった。手紙の内容とは関連性は無かった。部屋のパソコンの横にでも貼ろう。
歩いて本屋に向かう事にした。
途中に、おじいさんがやっている中華屋でチャーシュー麺セットとビールを飲んだ。大瓶だったのでおなかがぽんぽんになった。
商店街のベンチに少し座って人通りを眺めた。おじいさんおばあさんが多かった。3人組のおばあさんが楽しそうにお喋りしていたのが良かった。
本屋で、一回り本を流し見した。ビジネス雑誌を買って、面白そうな映画、芝居のフライヤーをいくつか取って出た。
商店街をぶらぶらしていたら鞄の中で携帯が鳴った。家に置いてきたつもりでいたので少しびっくりした。
東北の友達からだった。
今近くにいるんだけどおまえんちどの辺だっけ、との事だ。いつも急に来る。嬉しいサプライズだ。
商店街を出た辺りで待ち合わせをした。嫁さんが大人っぽくなったなーと思った。半年ぶりくらいか。友達の車で水を汲みに山へ行った。それで少し展望台で景色を眺めた後、海へ行ってチューハイを飲んだ。
嫁さんの運転で、海沿いを20分位走って温泉へ行った。小ぢんまりしているが、湯もいいし、西の空が良く見えるのだ。
露天風呂で夕焼けを見た。
温泉を出てから、夕焼けが無くなるまで隣の海岸でほてった体を軽く冷ました。嫁さんがシーグラスを拾っていた。北陸側とは何か違うなーと言っていた。
スーパー「光の主婦」に行って、刺身と魚の鍋の具材、日本酒を買った。今日は特別だから日本酒を飲もう。
昨日の事思い出したら少し胸が熱くなったので、スーパー出たとこで、よく来たなって抱きしめたら、きもちわりーなと言われた。嫁は、ひさしぶりね~といって受け入れてくれた。
家に帰って、和室に客の布団を2セット出しておいた。
キッチンに行くと嫁が私やるから座ってのんどりって言うので、少しあった洗い物だけして、ちゃぶ台で友達と酒を飲んだ。一杯目はオレンジチューハイにして、後は、日本酒と刺身でやった。
久し振りの日本酒でほろ酔いした頃に鍋が出来上がった。
流石、見た目までもが綺麗だ。
相変わらず、味も美味い。具材は自分が選んだけど、味は丁度良い他人が作った感。
そのまま3人で鍋つつき、日本酒。
日本酒が無くなった。他の酒はあるけど、日本酒が飲みたかったので、3人でスーパー「私と鳩」まで歩いた。顔が火照っていたので外の風にあたるのが丁度良かった。
戻ってきて、日本酒オンリーで夜明け前まで飲んだ。
みんなうとうとし始めた時に嫁が、ケースケにおみやげがあるんやと言って、北陸の見た事ないご当地キャラクターのキーホルダーをくれた。あと、北陸の海で拾ったシーグラスをくれた。聞きはしなかったが、北陸からの帰りによったんだなぁと思った。
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